夢に自担が出てくる意味を考える。
ちょっと仮眠をとっている間に1人のアイドルがとんでもないことになっていた。
いつでも夢が覚めた後に大変なことが起きる、ただ、今私が向き合うべき所はそこではなかった。
いい夢を見たと思った。
このところ夢を覚えている眠りの方が少なく、アラームの音でぼんやり目を覚ましてTwitterを見ている間に忘れてしまうような夢ばかりだった。
どうしてそんな夢を見たのかというと、多分この間、NEWSの静岡公演から帰ってきてから始めて長い時間寝たからだと思う。
夢とは記憶の整理だとよく言われるけれど、だから、つまりはそういう事なのだろう。
とんでもない衝撃を受けてダイレクトに脳へ刻み込まれたあのキラキラとした輝かしい記憶を、寝ている間に反芻しつつ整理していただけなのだ。
いや、だからといって、
自担と寝る夢はかなりやばい。
事実のみを淡々と整理してくれればいいものを、なにも捏造と願望と欲望を織り交ぜたものを寝ている間に見せなくてもいいじゃないか。
今年27歳になるんだ、私は。
夢に好きなアイドルが出てキュンキュンする歳はとうの昔に過ぎただろうに。
世間から見れば「まだ20代なんて若いじゃない」と言われがちだけれど、自分自身から見れば今が一番歳を取っている、好きなバンドのボーカルが夢に出てきて発狂した時よりも大人でいたい。
周りのみんなが結婚している、アイドルを追いかけつつも旦那さんがいる友達もいる。
アパートでひとり、彼氏もいないし部屋も汚い、壁にはアイドルのポスターが山ほど貼ってあり、定職にもついていない女が、見た夢が、アイドルと寝る夢!
ショックだった、頭を抱えながら私はサイゼリアにいた。
コンサートで実物を見たあとでの、その夢はさながらバイト先の知り合いと寝ちゃったみたいな気分だ、なんだか気まずくて、ポスターだらけの部屋に居づらくなったのだ。
自担と寝た夢を見ることについて考える。夢は記憶の整理と同じく、願望の表れともいう。深層心理を映し出している鏡のようなものだと。
願望…願望なのだろうか。
自担と寝てみたいという願望?
以前は確かに少しはあった、四年前くらい、けれど年を重ねるにつれ更に欲が減ったなあと思う。
今回のコンサートだって「自担への恋愛感情を拗らす」いうよりは、席が所謂神席という場所で、目の前に確かに自担が存在しているどでかい衝撃の方が勝り、恋という感情に浸る余裕がなかった。
私の自意識が「いいお客さんでいよう」と勤め、公演後はどっと疲れた。
もちろん素晴らしい公演だったけれど、聖域に初期装備で入ったダメージはでかい。
となると、あの夢は身体の防衛本能の一種ではないだろうか。
あまりにも1人の生活を寂しく感じ、どうしようもなく人恋しさをも感じた私の身体が、脳に指令を送ってせめて夢の中で人恋しさを満たして、孤独から精神を守ろうとしてくれたのかも。
発狂しそうだ。自分で自分を鈍器で殴り続けてる気分になってくる。
あと、今更ながら私は自意識が過剰過ぎる。
誰も私の夢など興味ないし、どういう状況で見てるのかもわざわざ言わなきゃわからないのだから、自担と寝た夢を「わー、ラッキー」とポジティブな心で素直に脳からのプレゼントを受け取っておけばいいんだ。
そう、起きた時の第一印象は紛れもなく「いい夢をみた」と思ったのだから。
考える事が全てにおいていいのかというとそうでもない、考える事が良くない場合もある事がこの世には多分沢山あるはずだ。
自担と寝る夢を見てよかった、こんなことに気付けるなんて。アイドルってすごい。哲学の塊。
実際ものすごく幸せな夢ではあった、忘れたくなくて何回も反芻してしまった。
でも起きて、気付いて、中学生の時に好きなバンドのボーカルが夢に出てきて「うそ!夢!?やだーー!最悪すぎる!嘘だよね!?」と思っていた私と「あ、いい夢だったな」と思った今の私では、今の私の方が現実への適応力が凄かった。
その点ではやっぱり少し大人になったんだろう。少しじゃない。大人なんだよ。
大人になっちゃったんだなあ。
ポスターだらけの部屋に帰って、この文章をまとめていたらもう夜が明けていた。たくさん余計な事を考えて疲れ切った頭ではろくな夢も見れないだろう。
こんな私と寝る夢を見られてるなんて、アイドルってほんと大変な仕事だなあ、申し訳なさが凄い。
ただ、なにかの媒体で手越くんが「俺で好きなだけ妄想してもいいよ♡」的な事を言っていた、初見凄いこと言うな、と思っていたけど、その言葉を思い出して少し救われる。
そうやってこの文章を締めようとしたんだけれど、今もうひとつ、夢に自担が出てきた決定的で単純な要因に気が付いた。
私はその夢を見る前日に「NEWSに恋して」を起動していた。
ルートが実装されてない自担といつのまにか付き合い、仕事の合間を縫って密会し、一泊旅行にまで行くような関係になっていた私は、絶賛イベント真っ最中の担当ルートを夢中で走った。
「プレミアend」という少女漫画さながらの甘過ぎる物語りを読んで、シナリオの完璧さ、全く起きない公式との解釈違い、人に伝えたかった自担の魅力がここに詰まっているシナリオに馬鹿みたいに大満足した笑顔のままその日は寝た。
もう、絶対このせい。
絶対このせい。
あー、なんで忘れてたんだろー。気付けてよかったなー。なんだよ、防衛本能って。やだなー、ほんと。恥ずかしいわ…すぐ頭良く見せて繊細なフリしたがるんだよなー。こういうところ嫌いだわー…。
そういえば、友達の増田担もこのゲームに狂わされ、ある意味ものすごく苦しんでいたな。
…さて、もうほんとに寝よう。
自担ルートが実装されたら、今度はどんな夢を見るんだろう。
それでどんな事考えるんだろう、怖くもあり、楽しみでもある。