恋心あふれでる

考えてみよう。

脱退について考える。

大学の時、何かでとても落ち込んでいたわたしは何もかもが嫌になってその時片足を突っ込んでいた関ジャニ∞主演のエイトレンジャーを観に行った事がある。

その時は関ジャニ∞に対する熱量はそこまででもなく、もともと飽き性で気が多い性格でジャニーズのファンクラブに入るという考えも、特定のものにお金をかけるという考えもなかった。

なので多分いつものテンションだったなら劇場に観に行くことなんてしなかった気がする。

でも、なんだか、本当にその時は頭の中に「消えたい」って思いしかなくて、でもそれは周りの人のことを考えると考えちゃいけないことで、とにかくだから、なんでもいいから元気が欲しかった。

コンサートDVDだって47しか見た事がなかったしジャニ勉をみていただけだったけど、関ジャニ∞は元気をくれるんじゃないかと当時の私は思ったわけだ。

 

結果見終わって、たくさん笑って、シアターから出ようとするとエイトファンの女の子二人組に後ろから話しかけられた。

「大きなPRポスターの前で写真を撮って欲しい」という彼女達を画角に収めながら、ポスターの前ではしゃいでる写真を2枚撮る。

ギラギラした赤いケースに入ったiPhoneを返す時に「お姉さんも撮ります?」と明るい笑顔で言われてそれに慌てながら首を振ると「ありがとうございましたー!」と元気に帰って行った。

春一番に巻き込まれたみたいだった。

車に帰って暫く椅子に座る、明るくて楽しそうな彼女たちに触れてさっきまでの落ち込んでいた気持ちが軽くなっていた、どうやら私は寂しかったらしい。

人に元気を与えてくれるグループには人に元気をあげられるファンが付くんだな、とぼんやりと思った。

 

その事を思い出した私は26歳になっていた。もともと飽き性だった私はNEWSのファンクラブ会員になって三年になる。特定のものにお金をかけるという考えにもなったし、アイドルを崇拝する様にもなった。それが進化なのか退化なのかはわからない。

NEWSの静岡公演2日目、ホテルで着替えてる時に関ジャニ∞から重大発表があった。

重大発表の五分前、「おそらくその発表は悪い事ではないだろう、夏のツアーが決まったのかもしれない」と増田担に話していた。週刊誌には抜かれていたけれど、悪い事というのは前触れなく起きると思っていたからだった、仕事に疲れて寝ている間にKAT-TUNが3人になったときのように。

 

第一印象は「えっ」だった、少しして「ありそう」と思った。ただそれは、「誰かが抜けるという運命が必ずこのグループに訪れるとすれば」、一番可能性がありそう、という事で、そんな運命は訪れないと思っていた。

記者会見をみて「思い出に残っていた事は?」と聞かれて「楽屋でメンバーとたわいもない話をしていた事」と答えても尚、自分の人生を優先したいという考えを聞いて、なんとなくグループの真ん中で前だけまっすぐみて、手を伸ばしながら力強く歌っている様子を思い出した。

その様子がかっこよくて好きだった。でもそのまま振り返らないでグループから抜けて、行ってしまうとは。

思い出の積み重ねで生きていく人じゃないんだろうなあと思った。例えば、作ったプラモデルを綺麗に並べて辛い時に眺める人じゃなくて、その時、その時、全力でプラモデル作りを苦労したり悩んだり楽しんだりして、作ったものは箱にしまって、また別のプラモデルを作り出す人。

だから、あの記者会見をみて「なんであんなに仲よかったのに、グループにいてもその活動はできなかったのか」とは思えなかった。

楽しい記憶を忘れたわけじゃない、昔の曲やバラエティをやりたくなかったわけじゃない、また新しいものを作りたくて、それには時間が必要になっただけだったんじゃないだろうか。

 

だけど、後ろからその背中を見ていただろう人は記者会見で泣いていた、PONでは後ろにライフが流れていて辛かった。

飲み込む事は出来るけど、それはそれとしてやっぱり寂しかった、こんな風に再認識したくなったというのは私の勝手な考えだけど。

 

静岡の2日目、最後の挨拶で手越くんが「周りに関ジャニ∞のファンがいたら元気付けてあげてください」と言った。

あの時元気をくれた女の子は私の周りにはいない、何をしているのかもわからない。でももし落ち込んでいたら心の整理がついてますように、元気になりますように。